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じぶんの未来を見つけた人たち

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「あなたはどんな風に成長し、
どんな色の未来を見つけましたか?」
理学療法士・作業療法士の
資格を武器に、
多彩なフィールドで活躍する
社会人の先輩たちに
インタビューしました。
あなたの未来を見つける
ヒントになるかもしれません。

NO.1

株式会社リニエL 代表取締役

谷 隆博

名古屋大学 医療技術短期大学部 作業療法学科 卒業

精神科領域で働く姉に勧められ、作業療法士の道を選びました。当時はまだ、高齢者へのリハビリという概念すら一般的でなかった時代。在宅の障害高齢者にリハビリを提供する先駆的な施設に就職し、地域リハの実践を重ねてきました。
やがて制度が整備される中で、療法士仲間と法人を立ち上げ、各地の訪問サービスのニーズに応えるため、東京・大阪で新たな会社も設立。現在は2社の代表取締役として、医療・介護・福祉職のスタッフと在宅サービスを提供しています。

私は、現場で起こっている事実をよく知り、スタッフと議論を重ね、解決策を試行していく過程に、いつも答えがあると感じています。成功すれば良し、失敗しても必ずその先の一手が見えてくる。その中で、利用者の暮らしに役立つサービスを届けられたと実感できたとき、そして現場で働くスタッフが成長していく姿にふれたときに、大きなやりがいを感じます。
セラピストは、誰かの「こうなりたい」という願いに寄り添い、環境や心身の状態を見極めながら、その実現を支えていく存在。現状とのギャップである課題を解決し、人や暮らしを“マネジメント”する仕事だと、私は考えています。これからも人や地域に寄り添い、リハビリテーションの力を世界にも届けていきたいです。

NO.2

洛和会京都スポーツ医科学研究所
丸太町リハビリテーションクリニック 勤務

松井 知之

土佐リハビリテーションカレッジ* 理学療法学科 卒業
*土佐リハビリテーションカレッジは高知健康科学大学の前身校です

スポーツに関わる仕事を漠然と志していた高校時代、祖父の大けがをきっかけに、理学療法士という存在に出会いました。リハビリに懸命に取り組む祖父の姿を間近で見守る中で、「誰かの人生に希望を取り戻す仕事」があることを知り、この道を志すようになりました。
卒業後は、大学病院での臨床や研究を経て、スポーツに特化したリハビリに携わってきました。「京都のスポーツ選手の未来を支えたい」という思いで、現在は外来リハビリを行ったり、野球選手を中心とした多くの競技のメディカルサポート、大学での講師活動などを行っています。

何よりもやりがいを感じるのは、ケガを乗り越えた選手が再びフィールドに立つ瞬間。リハビリ室では見せなかった真剣な表情やプレーに触れたとき、この仕事を選んでよかったと心から思います。
昨今、医学的知識と人の動きに精通した専門家として、学校現場やトレーナーなど理学療法士の活躍の場は広がっています。私にとってセラピストは人生をかけて向き合いたい天職。「人の未来を支える仕事」としての誇りと情熱を胸に、挑戦を続けていきたいです。

NO.3

高知県庁 主幹

槇尾 晋

神戸大学 医学部保健学科 理学療法学専攻 卒業

親戚が脳卒中を患い、リハビリを受ける姿を見たこと、そして私自身もケガをした際に理学療法士に支えてもらった経験から、この仕事に興味を持つようになりました。
病院に勤めていた頃は、主に脳卒中の患者さんや小児を担当。その後、高知県庁に入職し、現在は制度や施策を通じて県民に福祉サービスを提供しています。車いすや装具、歩行器、補聴器などの支給業務のほか、これまで携わってきた小児分野の臨床にも引き続き関わっています。
専門職としての知識はもちろん、法律や制度に関する知識も求められる難しさがありますが、医療職以外の人と連携する機会は多く、多職種と協力しながら必要な支援を届けられたときには、大きなやりがいを感じます。

セラピストの技術や対人スキル、臨機応変な対応力は、医療現場だけでなく、行政やその他のフィールドでも求められるものです。必要とされる場があるなら、自分たちの知識や技術を届けに行く。そんなチャレンジを続け、自ら動けば、多くの方と一緒にさまざまなことが実現できる職業だと感じています。

NO.4

京都大学医学部附属病院 リハビリテーション部 勤務

濱田 涼太

土佐リハビリテーションカレッジ* 理学療法学科 卒業
*土佐リハビリテーションカレッジは高知健康科学大学の前身校です

若い頃、事故で片脚を失った祖父は、リハビリによって日常生活から職場復帰まで果たすことができたといいます。理学療法士という仕事に興味を持ったのは、そんな祖父の存在があったからです。
理学療法士1年目、高知医療センターに就職し、超急性期リハビリテーションの現場を経験しました。現在は京都大学医学部附属病院で勤務し、整形外科疾患をはじめ、肺移植や造血幹細胞移植など、高度な医療を受ける患者さんへのリハビリも担当しています。
また、リアルワールドデータ(身体情報)を用いた研究も積極的に行っています。血液疾患に対するリハビリテーションは私の研究テーマです。

できなかったことを患者さんが初めてできたとき、元気に退院していく姿を見送るとき、退院した患者さんが外来のついでにリハ室を訪ねてきてくれるとき——そんな瞬間に、大きなやりがいを感じます。

理学療法士は、知識と技術で患者さんの人生を支え、未来をともにつくっていける仕事だと思います。挑戦の先にこそ成長があると信じて、臨床・教育・研究すべてに全力で向き合っていきたいです。

NO.5

株式会社Workth 代表取締役

橋本 貴紘

土佐リハビリテーションカレッジ* 理学療法学科 卒業
*土佐リハビリテーションカレッジは高知健康科学大学の前身校です

高校卒業を控え進路に迷っていた頃、中学時代の恩師に理学療法士という職業を勧められたことが、この道を目指すきっかけになりました。
急性期病院での勤務を経て訪問看護に携わる中で、利用者さまだけでなくその家族も、仕事や家事、育児、介護などで大きな負担を抱えていることを知りました。支援が必要な人が目の前にいても、十分に手を差し伸べられない現実にもどかしさを感じ、自分にできる支援の仕組みをつくろうと決意。高知県主催のビジネスプランコンテストで最優秀賞を受賞し、起業に踏み出しました。

現在は、放課後等デイサービスなどの発達支援や子ども向けの運動教室、スポーツ指導、高齢者の介護予防など、乳児から高齢者までを支える事業を展開しています。

セラピストは、医療の中だけの存在ではありません。医療や福祉の現場を離れるとまだまだ知られていないのが現状ですが、生活の中には「ここにセラピストがいればもっとよくなるのに」と感じる場面はたくさんあります。私たちの知識や技術をどこに、どう届けるか。その工夫次第で、可能性は無限に広がっていくと思います。

NO.6

刑務所 法務技官

大崎 利奈

広島大学 医学部 保健学科 作業療法学専攻 卒業

高校時代、身近な人の生きづらさに触れ、見た目だけではわからない障害にも寄り添える支援職を志すようになりました。元々、心理学にも興味があり臨床心理士とも迷ったのですが、身体障害のある人だけでなく、発達障害や知的障害のある人に対しても支援を行える作業療法の道に進みました。
大学3年生の頃『ケーキの切れない非行少年たち』を読み衝撃を受けました。それをきっかけに大学院では、少年院や刑務所に赴いたことが今につながっています。現在は法務技官として、刑務所での受刑者の調査(入口支援)に携わっています。以前勤務していた少年鑑別所では、非行少年が自らの特性や課題に気づき、前向きに人生を考え始める姿にやりがいを感じました。

刑務所などの矯正施設でも、リハビリの視点が求められる場面は多いです。受刑者の高齢化や拘禁刑制度のスタートにより、心身の機能評価や作業能力の判定に作業療法士の知識が活かせると実感しています。
「その人が抱える生きづらさに寄り添い立ち直りを支える専門家」として、作業療法士が活躍できるフィールドはまだまだ広がっています。私自身も、常勤作業療法士として矯正施設に貢献していくことを目指しています。