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まっしろな本音で話そう、セラピストの未来 理学療法学専攻編

学生と教員。お互いが気になっていること、ぜんぶ質問してみました。

学生たちは疑問に感じていました。
“セラピストはこれからどうなっていくの?”
先生たちも知りたがっていました。
“学生はどんな夢をえがき、進学したの?”
学生から先生へ、そして先生から学生へ―。
お互いが気になることを
本音で話しあいました。

学生
作業療法学専攻 1年
岡嶋 慶一郎さん
香川県立善通寺第一高校出身
プロフェッショナル
専攻長
片岡 聡子准教授

教員からの質問

セラピストをめざすきっかけは何でしたか?

小さいころから打ち込んでいた野球でケガをしたことでした。ポジションはピッチャーで、中学2年でひじ、高校1年で肩を痛めてしまったんです。このとき、リハビリに通った先でサポートしてくれたのが、作業療法士の先生でした。

どんな方でしたか?

とっても親身になってくれました! 本当にステキな先生だったから、いつしか自分も先生みたいになりたいという目標に変わりました。それが、作業療法士をめざしたきっかけです。

リハビリの現場での出会いが、今につながっているのですね。

はい。もっと知りたいと思い、高校生のときには、職場体験で作業療法士の仕事を見学しました。障害者のリハビリをサポートする姿を目にし、いろいろな場面で活躍できる仕事だと思い、なりたい気持ちがさらにかたまりました。

岡嶋さんは香川県出身ですが、地元を離れ、本学への進学を決めた理由は?

ひとり暮らしをしてみたかったんです(笑)。先生、うそ、うそ。ちょっとはそんな気持ちもありましたが、もちろん、それだけではないです!

それはよかった・・・(汗)。

作業療法士をめざせる学校を探していたら、30年の歴史を重ねてきた土佐リハビリテーションカレッジが、高知健康科学大学に生まれ変わると聞きました! 新しくスタートする環境に興味がわき、オープンキャンパスに訪れてみたんです。

オープンキャンパスの印象はどうでしたか?

すごくよかった! 勉強のこと、将来のこと、先生が真剣に話を聞いてくれました。加えて、土佐リハの卒業生は全国で活躍していますよね。就職先に将来進みたいと考えている首都圏の医療機関を見つけました! 「よしっ、ここでセラピストをめざそう」と決めたんです。

オープンキャンパスの様子

実際に大学で学んでみていかがですか?

入学して日は浅く、まだまだ基本的な範囲だと思います。それでも、これまでふれてこなかった医学の基礎を身につけるのは、なかなか大変です・・・。想像以上に覚えることがたくさんあって。

わからないことがあれば、いつでも質問してくださいね。

ありがとうございます! でも、難しいからといって、決してつらいわけではないです。むしろ、目標に向かい、専門的に学ぶ毎日は充実しています。授業も座って聞くだけでなく、体を動かしながら理解を深める実践的なものがたくさんあって楽しいです。

専攻の垣根を越え、クロスオーバーした学びも多いですね。

確かに、そうですね。1年生は授業の半分くらい一緒に受講しているかも。同じセラピストをめざす仲間ですが、価値観や考え方は一人ひとり違います。グループワークでみんなと話し合っていると、新しい視点に気づくことも多く、とても勉強になります!

日ごろの岡嶋さんを見ていると笑顔が絶えず、学生生活を楽しんでいる様子です。先日のスポーツ大会もドッジボールに出場し、がんばっていましたね。

元ピッチャーですから(笑)。やっぱりスポーツは燃えます! 土佐リハの先輩たちと一緒に取り組むイベントも多く、そんな学年を越えた交流が、キャンパス全体の明るい雰囲気につながっているのだと感じています。

将来はどんなセラピストになりたいですか?

目標は作業療法士としてスポーツにも関わること! 働きたいと考えている病院は、プロ野球選手もサポートしています。そんな第一線で経験を重ね,様々な方へのスポーツ活動にかかわりたいです。

岡嶋さんが野球に打ち込んできた経験も生かせそうですね。

私自身、選手としてケガをしたから、リハビリは苦しいものだということは理解しています。それでも、患者さんの心によりそい、コミュニケーションを重ねることで、少しでも前向きに取り組める環境を整えたい! ともに前に進んでいくセラピストをめざします!

まっしろなキャンバスだからこそ、色鮮やかに未来図を描くことができます! 岡嶋さんらしく、夢に向かってまっすぐに歩んでいってください。

学生からの質問

作業療法士の役割はどんどん変わっているのですか?

かつては作業療法士がいる場所といえば、病院や福祉施設に限られていました。ですが、いまは地域に出向き、さまざまな人の生活に深くかかわるようになっています。

たとえば、どんな場面で活躍していますか?

保健所や特別支援学校はもちろん、自動車教習所で高齢者や障害者の運転を評価したり、発達障害の受刑者の社会復帰を支えたりするなど、活躍の場は着実に広がっています。

片岡先生は、脳血管障害の方へのリハビリを手がけるなど、現場での経験も豊富です。どんなところに、セラピストとして働く魅力を感じていましたか?

私たちが向き合う対象者は、身体の状態も違えば、性別も年齢も性格も異なります。一人ひとりと接し、お話を聞き、オーダーメイドのリハビリを提供することで、その方の生活や人生を後押しできるのが、この仕事のやりがいです。

なかなか、難しそうです・・・。

確かに、決まりきった答えはなく、難しさを感じたり、壁にぶつかったりすることもあるでしょう。それでも、対象者やそのご家族とともに喜び合えるのは、セラピストだからこその魅力です。とってもやりがいのある仕事ですよ!

これから、理学療法士に求められるものは何でしょう?

作業療法士の社会的な役割はどんどん広がっています。多くの人とかかわりが増える中で、「自分だけが分かっていればいい」というわけにはいきません。

確かに、そうですね。

周囲の誰もが納得できる根拠(エビデンス)を示す能力が求められます。また、医療・福祉関係者だけでなく、行政をはじめいろいろな職種の方々と連携する場面も増えています。多職種をつないだチームをリードしていくマネジメント力も欠かせません。

なるほど、いろんなスキルが大切ですね。

その通りです。専門的な知識・技術も重要ですが、それ以上の力を身につけられるよう、大学ではたくさんの人とかかわる機会を設ける予定です。

おっ、それは楽しみです! どんな取り組みを考えていますか?

ボランティアを通して地域の方々とふれあったり、1年次から臨床体験実習を行い、セラピストが活躍する現場を肌で感じたりするなど、どんどんキャンパスを飛び出していきますよ。人とのつながりを通して、相手を観察し、耳を傾け、思いをくみとることができるようになってほしいと考えています。

高知健康科学大学の学生にはどうあってほしいですか?

学生時代はたくさん恥をかいてほしいです。

えっ!

どれだけ失敗してもいいのは学生だからこそですよ。社会に出れば、失敗が許されない場面に遭遇するかもしれません。失敗を恐れないでください。皆さん一人ひとりが掲げる目標に向かって、自分自身の得意を伸ばしながら、苦手なことにもどんどんチャレンジしていきましょう。

わかりました! どんどん恥をかいていきます(笑)。そして、失敗しても下を向かず、夢を追い続けていきます。

いいですねー。先生もそんな学生を全力で応援します! ぜひ、幅広い世代の人たちと積極的にかかわり、いろいろなことを発見してください。自ら行動し学ぶ力を身につけることが、セラピストとして歩む人生を、より実りあるものにしてくれますよ。

CONCLUSION 本音で話終えて…

先生、最後にホームページをみている受験生にメッセージをお願いします。

作業療法士は、ウェルビーイングを追求する仕事です。ウェルビーイングとは、肉体的にも精神的にも、社会的にも満たされた状態を意味しています。ただ単に、病気にかかっていないことを指すのではなく、障害があったとしても、その人らしく生きる幸せがウェルビーイングです。作業療法学は、向き合う対象者に加え、皆さんの大切な人、そして何よりも自分自身の人生に還元できる幸福な学問です。ともに作業療法を学び、社会にウェルビーイングを広げていきましょう。

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