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まっしろな本音で話そう、セラピストの未来 理学療法学専攻編

学生と教員。お互いが気になっていること、ぜんぶ質問してみました。

学生たちは疑問に感じていました。
“セラピストはこれからどうなっていくの?”
先生たちも知りたがっていました。
“学生はどんな夢をえがき、進学したの?”
学生から先生へ、そして先生から学生へ―。
お互いが気になることを
本音で話しあいました。

学生
理学療法学専攻 1年
福島 彩花さん
高知県立高知工業高校出身
プロフェッショナル
専攻長
岡部 孝生准教授

教員からの質問

セラピストをめざすきっかけは何でしたか?

高校2年生のときです。空手部の練習でケガをしてしまいました。大会直前で本当にくやしくて。

にがい経験だったね。

ほんと、いっぱい泣きました。テンションが落ちに落ちてた私を支えてくれたのが、理学療法士の先生だったんです! 月に1回訪れ、部員に筋肉の使い方やケガをしにくいトレーニング方法などを教えてくれた先生で、すごく頼りになる方でした。そんな頼りになる憧れの先生の出身校が、高知健康科学大学の前身となる土佐リハビリテーションカレッジだったんです。

おぉー、そうだったんだ。土佐リハの卒業生に憧れてって、すごくうれしいことです。実は、私も土佐リハの1期生なんですよ。土佐リハは開学から約30年、先輩たちは高知県内を中心に全国各地で幅広く活躍しています。

えっ、そうだったんですか! やるな土佐リハ(笑)。この出来事がきっかけとなり、私も人を支えるセラピストになりたいと思いました。

なるほど、そうだったんだ。高校生のときにはオープンキャンパスにも来たの?

来ました、来ました! 楽しかったー。大学の先生は丁寧にサポートしてくれるし、先輩たちも高校生の目線になって相談に乗ってくれました。「この学校いいな」って、オープンキャンパスで進路を決めたんです。

オープンキャンパスの様子

実際に大学で学んでみていかがですか?

高校までの勉強とはやっぱり違いますね。初めてのことばかりで・・・。環境ががらりと変わったことで、入学したころはかなり緊張していました。

今はどう?もう慣れた?

もうばっちり(笑)。ガチガチになっていたのは、本当に最初だけ。先生はとても優しいですし、大学の雰囲気はとっても明るい! しかも、理学療法学専攻だけでなく、作業療法学専攻の学生と交流する場面もたくさんありますね。

そうだよね。専攻の枠を越えた交流は大きな特色のひとつ。日本一規模の小さな大学かもしれないけど、その分、学生同士や先生とのコミュニケーションの密度は日本一だと思います(笑)

同じセラピストをめざす仲間がいるのは、すごく心強いです! 土佐リハの先輩や先生たちからたくさんお話を聞いて、これからの学生生活に役立てていきます! 先生、いろいろと教えてください。

もちろん! わからないこと、悩んでいることがあったら、いつでも気軽に相談してくださいね。

ありがとうございます!

4年間は始まったばかり。これからの大学生活を楽しんでください。

はい! 実は、学校全体が一丸となる秋の学園祭「かんきつ祭」を本当に心待ちにしているんです。キャンパスの魅力がわかる1日ですから、多くの高校生に遊びにきてもらいたいです。

大学で学ぶ中で、新たな発見はありましたか?

ありました! 高校生のとき、セラピストは患者さんのケガや病気に対応するのが仕事だと思っていましたが、大学で学び始めてすぐに気づきました。技術や知識だけが求められる職種ではないってことに。

そのとおり。セラピストには、専門的なスキル以外にも大切なことがあります。

患者さんに寄り添う心ですね。思い返せば、私がケガをしたときも、理学療法士の先生の優しさに、何度も救われました。寄り添う心を絶対に忘れず、ひとと向き合うコミュニケーション力や観察力も磨いていきたいです!

将来、どんなセラピストになりたいですか?

理学療法士としてさまざまな分野にチャレンジしたいです。たとえば、私がお世話になった先生のように、定期的に中学校や高校を訪れ、理学療法の専門スキルで部活動をサポートしたいと思っています。地域のお年寄りに健康体操を指導することも、ぜひやってみたいです。

それはいいね。

もちろん、まだ卒業後、理学療法士としてどんな分野に進めるかはまだわかりませんが、職場だけでなく、自分からいろいろな場所に出かけ、たくさんの人を元気に、笑顔にするお手伝いができればと考えています。

福島さんは、セラピストとしてこれからどんな世界にも進んでいくことができます。可能性は一つではありません。無限に広がっています。ぜひ、がんばってください。

学生からの質問

理学療法士の役割は<br>どのように変わっていますか?

人生100年時代を迎え、自立して生活できる健康寿命を延ばすことが重要になっています。そんな中、人生最後まで生活の質(QOL)を維持するために、理学療法士・作業療法士の担う役割は拡大していますよ。

健康寿命やQOLの向上は、現代社会のキーワードですね。

そうです。合わせて、時代の変化に伴い、以前は「病気を診る」のが仕事だった理学療法士ですが、今は「人を診る」、さらに「家を見る」「地域を見る」といった視点が欠かせなくなっています。

なるほどー。患者さん個人に加え、家庭の状況や地域の課題にも目を向けることが大事なんですね!

それに30年ほど前、約1万人だった理学療法士の有資格者数は現在、約20万人にまで増えました。病院やクリニックだけでなく、通所・訪問リハビリや介護予防、アスリート支援、行政など、活躍の場もどんどん広がっていますよ。

岡部先生は理学療法士として病院に勤務した経験があり、教員としても数多くのセラピストを育ててこられたと思います。そんな先生にズバリ聞きます! 理学療法士として働く魅力は何ですか?

それはやはり、「ありがとう」の言葉じゃないかな。あと、知ってる? アメリカでは、理学療法士は「メスを持たない整形外科医」とも呼ばれているんだよ。

えっ、そうなんですか。「メスを持たない整形外科医」・・・。なんか、かっこいい(笑)。

実際、専門的な知識・技術を生かした理学療法で、症状が劇的に改善するケースを何度も目にしてきました。元気になった患者さんからの感謝の言葉に、大きなパワーをもらっているセラピストは多いはずです!

これから、理学療法士に求められるものは何でしょう?

時代や医療技術の進化に合わせ、学ぶ内容はどんどん変わってきています。ですが、セラピストに求められる芯となる部分は、いつの時代も変わらないと、私は思っています。それは、人を思いやる気持ち、そして専門家としての探究心と向上心、行動力です。

分かりました! 芯の部分、しっかりとはぐくんでいきます。

もうひとつ、「重い病気にかかったから、これ以上機能は改善しない」といった思い込みも持たないようにしましょう。「治らない」「これくらいで十分」といった常識に当てはめるのではなく、常に進歩する医療を学び続ける姿勢を忘れないでください。

そうですよね。卒業し、国家資格を取得したからといって、そこで満足していてはダメですよね。がんばります!

おっ、いい返事(笑)。期待していますよ。私たちも大学として踏み出したこの一歩を大きなきっかけとし、県内に2000人いる理学療法士の皆さんとのつながりを深めていきたいと考えています。地域の方々と交流できる環境も整えていく計画です。

大学を飛び出した交流も楽しみです!

ふれあいを通して、学生たちも大きく成長してくれると願っています。並行して、大学4年間では、解剖学や生理学、運動学といった医学の基礎をはぐくむ教育に力を注いでいきます。基礎を身につけることで、考える力も身につけることができます。そうすることで、自立かつ自律した療法士へと成長することができます。

高知健康科学大学の学生にはどうあってほしいですか?

好奇心と行動力でいろいろなことに挑戦してほしいです! 別に失敗したっていいんだから。何もしない4年間を過ごすのは、本当にもったいないことです。

そうですよね。大学生の間にできることにどんどんチャレンジしてみます!

どんなことでもいいんです。ボランティアで地域の皆さんとふれあったり、アルバイトで医療以外の仕事に触れてみたりと、ひとつひとつの経験が療法士としてのこれからに必ず役立ちます!

CONCLUSION 本音で話終えて…

先生、最後にホームページをみている受験生にメッセージをお願いします!

高校卒業後に進む道は、生涯の仕事を見すえたものになります。ですから、しっかりと自分の目で見て、耳で聞いて検討してください。もし、理学療法に興味を持った方がいるならば、仕事の面白さややりがいは保証します。国家資格への合格や卒業後のスキルアップはもちろん、私たちが全力でサポートします。

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